2012年08月01日 00:00

重曹パスタ

 スパゲティを茹でる時、湯に重曹を混ぜるとラーメンの麺になる…などという面妖な話を、ネットの世界で垣間見ることがある。実際、理屈としては小麦粉を練る時にアルカリが入っていればラーメンの麺に近くなるのは道理であって、ならば茹でるステップでという話もわからなくもない。まぁ麺がもっと固いというか吸水しない性質のものであればともかく、芯まで水分が通るのがパスタの乾麺の茹で方である故、茹でる湯がアルカリであれば一応は芯までアルカリも浸透しよう。気にかかるのはアルカリとの反応時間だが、それもさほど長くないのであれば…まぁ、成立しなくはないのだろう。

 何はともあれ。論より証拠。迷ったときは己の五感を信じよ。そして信じるものは馬鹿を見る。というわけで、自分でも作ってみた次第である。

 茹で水に重曹を少々。小さじ1杯2杯程度を入れて沸かす。パスタとして茹でる時と同様に塩も少々加えたのだが、これは不要だったかもしれない。というのも、パスタを茹でる時に塩を加えるというのは諸説あるが、そのいずれにもラーメン用途では必要無さそうである。まず塩を入れる理由の1つには味付けがあるが、ラーメンの汁は元から濃いため不要である。2つ目として塩分が入ることで麺の小麦グルテンが結合して噛みごたえが良くなることだが、これはアルカリを入れることで麺が柔らかくなってしまうためあまり意味がなさそうだ。

 余談ながら、パスタを茹でる時の塩の理由に「沸点の上昇」があると本気で信じている人が居るようだが、これはちょっと無理がありすぎる。確かに、高校辺りで習う「モル沸点上昇」なる作用があって、食塩で沸点を上昇させる事は出来なくもないし、沸点が上がるからと称する人の論点もそれである。ならば、そのモル沸点上昇についてもう少しだけ調べてみればよかろうに…と、本気で小生は思う。というのも、1リットルの湯の沸点を3度上げるのに200g近い塩が必要となる。それだけ入れたら、パスタが塩辛くなってとても食べられない。だからといって、小さじ数杯程度では沸点の上昇は1度に満たない。そして、その程度の温度変化では茹で上がりに影響が出るとは考えにくい。いや、厳密には出るかもしれないが、その影響よりよほど塩味や塩によるグルテン結合作用の影響のほうが大きいため誤差にしかなるまいて。

 話がそれたが、まぁこれがパスタを茹でている時間だとでも思っていただければ程よい頃合いかもしれない。さて、茹で上がったパスタはというと、普段よりよっぽどしなっとしている。茹で過ぎた感じのように見えて、時間的にも噛みごたえ的にもそうではないように思える。

 では、と、ラーメンのスープの中に投入。具を適当に用意して…出来上がり。お味は…ふむ…うん。食感的には全く違和感ない。太麺のラーメンである。これは、案外おもしろい話なのかもしれない。

 この方法はおそらくスパゲティ、ではなくパスタ全般に通じる手法であろう。というか、上で考察した原理であれば通じないはずがない。ならば…と、少し考えてみる。何を考えたかというと、コンキリエ、フリッジ、フェンネ…日本でもメジャーな物だと穴の開いたマカロニ、平らなパスタであるラザニアなど、パスタの種類は多々あるという事を考えた。これはつまり、例えばマカロニで冷やし中華的な物が作れる事を意味する…はずである。油麺的な物でもよさそうだ。蝶の形をしたファルファッレを中華あんかけ的な物で食べるのもいいかもしれない。あるいは、中華麺で焼きそばを作れるあたりから、そっち方面の応用も出来るかもしれない。例えば、広島風お好み焼きでそばの代わりにラザニアを…いやいや、さすがにそれは無茶か。

 ふむ、ちょっとだけ料理の世界が広がるのかな。いや、結局はトンデモ料理の類であろうか。興味は尽きないが…とりあえず次は、マカロニ的なショートパスタで油麺系でも試してみるか。
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