2012年07月08日 00:00

五香粉

 中華料理のスパイスの一つに、五香粉という物がある。香りの高い5種類(あるいはそれ以上)のスパイスを混ぜた物であり、ほんの一振りで香味の全てを中華風にしてしまうという恐るべきスパイスですらある。その意味ではごま油と同様の破壊力を持つスパイスであり…というか、これとごま油さえ投入すれば、小生の知る限りカレー以外のすべての料理は中華料理に生まれ変わるであろうと思われる。それほど個性の強い香辛料であったりもする。その材料の詳細はここでは省くが、材料の全てが香りの高い香辛料であり、単独で肉や魚の匂い消しに使われるような物ばかりである。中華料理のみならず、インド系の料理や飲み物のチャイなどにも用いられるそうな。

 では、と別の目線でこの材料たちを見直すと、不思議な事にいずれも健胃を含む胃腸系に効果がある漢方薬や生薬として記されている。香辛料や調味料を複合したものは洋の東西を問わず存在するが、これだけ薬効が一致しているものは珍しいのではなかろうか。というか、ぶっちゃけ漢方薬を調味料に転用したんじゃないのかなって推測してもいいよね、くらいの印象を受ける。

 ならば…と思ってネットで検索してみると、ああ…やっぱり。薬効的な物を求めている記事がたくさん出てくる。割としっかり書いてある物から、なんだか怪しい内容のところまで。まぁ、5種類の胃薬が混ざっていると考えればご利益もありそうなものだ。

 そもそも、普通に使っても余る調味料である。そのまま湿気させるよりは、別の目的として使ってしまえというのもまた一興であろう。幸いなことに、香りは強いものの味はさほど強くない香辛料である。花椒のピリッとした後味や桂皮の甘みがあるものの、量を間違えなければたいしたことはない。というか、味が露骨に変わる程まで五香粉を投入したら、それこそ香りは破壊的な物になろうて。

 ということで、物は試し。まずはお茶代わりに湯で溶いて飲んでみた。もちろん、溶く量はごく少しである。と…これが…まぁ好き嫌いはあろうが、個人的には案外いけると感じた次第である。先述の通り、ほのかな桂皮の甘味に加え、花椒のおかげでスッキリ感が残る。香りこそ某胃薬だが、案外悪くないと感じる。というか、五香粉の材料の多くは精油を取ってアロマテラピーにも利用されているわけだし、この香りも悪い物ではないのだろう。

 保温ポットに入れて机の傍らに。作業中、喉が渇いた時に一口二口飲んでみる。薄いながらも特徴的な味と強い香りが気分転換に思いの外良さそうである。そして無糖、ノンカフェイン、塩分もない。成分的には胃腸に良いのは確実として、それ以外の面でも体に悪くはなさそうな感じである。おろ…そう考えると、五香粉湯は案外いいのかな?

 とはいえ漢方薬だと考えれば薬は薬である。薬の飲み過ぎは必ず体を壊すわけで、これは漢方薬とて例外ではない。様子を見ながら、少しずつ…というのがいいのかもしれないかな。
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